通常脳波検査は主に異常脳波の検出を目的とします。異常波は特定の賦活を行うと出現しやすいことがありますので、通常脳波検査では光刺激や過呼吸、さらに眠っていただくこともあります。
一方、長時間脳波検査は希な異常波の有無や性状を確認したり、発作の時の異常波の記録を目的としています。長時間脳波検査では、いつ起こるかわからない発作を捉えるために、数日間測定し続けることもあります。
特に脳波とビデオを長時間記録することにより、次のことがわかります。
a) てんかん発作かどうか
てんかん発作とまぎらわしいものには、乳幼児の泣き入りひきつけや息止め発作、睡眠時異常行動、不随意運動、失神発作、チック、心因性発作などがあります。これらは発作時にてんかん性の異常波が出るかどうかで区別が可能です。
b) てんかん発作型の診断
てんかん発作であれば、部分発作か全般発作かの区別が必要な場合、またさらに再分類が必要な場合に役立ちます。発作型がわかることで正確なてんかん診断に結び付きますし、発作型にあった抗てんかん薬を選択することができます。
c) 術前検査
外科的治療を考慮する際、脳のどの部位からてんかん発作が生じているのかを確定するのに有用です。いつもの発作型でのてんかん性発射の起始部位、広がりや進展パターンを確認します。