家族です。発作のたびにあわててしまって、主治医に症状をうまく伝えられません。どのような点に気をつけて見たらよいのでしょうか。
正確な発作型の診断から、正しい治療が行われます。発作症状を正確に把握することは非常に重要なことです。できる限り具体的に、ありのままに詳しく伝えましょう。テレビの実況中継をしているように伝えたり、見たままに真似して伝えると分かりやすいです。
そのために下記の点に気をつけて見られるとよいでしょう。また、記録しておくようにしましょう。可能であれば、ビデオに撮られるといいですね。
- いつどんな状態で発作が起きたか
- どのような状況であったか
- 発作の始まりはどうであったか
- 発作の経過について
- 発作後の様子はどうか
1.いつどのような状態で発作が起きたか
発作を起こした時間、すっきり目覚めている時か、ぼんやり眠気のある時か、眠っていた時か、寝入りばなか、起きがけか
2.どのような状況であったか
熱があった、興奮していた、疲れていた、生理中であった、睡眠不足であった、過労、前夜の飲酒、学校の教室で勉強中、運動中、遊んでいて、食事中、入浴中、テレビを見ている時、仕事中であったなど
光や音などの刺激が関係していたか
3.発作の始まりはどうであったか
1)意識が保たれて始まった場合
どのような症状で発作の始まりを本人が知ることができたか
2)意識の曇りで始まった場合
動作が停止したか、応答がなくなったか、返事がちぐはぐになったか
表情がぼんやりしていたか
3)転倒で始まった場合
転倒時の勢いはどうだったか(ゆっくり、棒状、急激)、転倒の方向は
転倒した時の姿勢は、発声はあったか
4)けいれんで始まった場合
体のどこから始まり、どのように広がっていったか、左右手足の力の入り具合はどうか
眼球や頭部の向きはどうなっていたか
5)動作の異常で始まった場合
表情、視線、発声、呼吸の状態、どのような動作が見られたか
6)四肢 の筋肉の異常で始まった場合
一瞬ピクンとさせたか、持続的か、一側性か、両側性か
4.発作はどのように進展していったか、どれくらい持続したか
1)目、頭、体の動きがどのように変化していったか(回転すればその方向)
2)表情、顔色、呼吸状態がどのように変わっていったか
3)けいれんはどのような部位に広がっていたか、つっぱっていたか、ガクガクしていたかなど
4)目的のない動き(自動症)として物を飲み込む、舌なめずり、衣類を引っ張る、身体や物をまさぐる、物をつかむ、家の中を歩きまわるなどの症状があったか
5.発作後の様子はどうか
1)意識は速やかに戻ったのか、徐々に回復したのか、そのまま眠ってしまったか
2)発作後に片側(左右)の手足が動かなかったか
3)話そうとしても言葉がでなかったかどうか
4)興奮や朦朧状態があったか
5)意識が回復した後に発作の記憶があったか
こちらのチェック表は、発作をたまたま目撃した人に簡単に記入を依頼できるように作成したものです。発作を観察した家族や介護者も利用できます。
ご活用ください:発作観察チェック表(付添者用)