大切なことは、症状が目に浮かぶように、目撃したことをありのままに表現することです。発作が起こった状況とともに、身体のどこから始まった発作が、時間と共にどのように変化していったか、をこまかく伝えてください。
- いつ、どこで:発作が起きた日、時刻、場所
- どんな状況下で:睡眠中?、遊んでいて?、歩いていて?、座っていて?どんなゲームをしていて?など
- どのように:どのような状態が、身体のどの部分から始まって、どのように進展していったか。発作の症状に右半身と左半身で差がなかったか、発作が終わって身体のどこかにしばらく異常が残らなかったかなど。
- 意識状態:発作の間、受け答えはいつもどおりに出来ていたかどうか。どのようにいつもと違っていたのか。発作のことを覚えていたかどうか。
- 持続時間:発作の長さ、発作後に意識が戻るのにどのくらい時間がかかったか。発作は1回で終わったか。どのくらいの時間を置いて次の発作が起こったか。
- 誘因:発作が起こる前に、発熱、薬の飲み忘れ、睡眠不足など、いつもと違う状況がなかったか。
<具体例>10歳の男児
5歳7ヶ月から初診時までに計4回の発作あり。いずれも生活が乱れた休日や睡眠不足の直後(6.誘因)、午前5〜6時の睡眠時に自宅寝室で発作が起こった(1.いつ・どこで・2.どんな状況下で)。母親によれば初回及び2回目の発作では、いずれも右口角のけいれんに始まり、引き続いて全身のけいれんに及んだ(3.どのように)。2分以内に発作は終了した(5.発作の持続時間)。服薬を開始してからの残る2回の発作は、1分未満でおさまり、右口角のけいれんが右顔面全体に広がった時点で覚醒した。発作直後に四肢は通常どおり動き、しゃべることも可能で、発作のときに左手で顔のけいれんを止めようとしたことも覚えていた(4.意識状態)。