診療科のご案内
てんかん科の紹介
脳神経内科の紹介
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医師紹介
今井 克美 (いまい かつみ)
小児科
役職 | 院長 日本てんかん学会副理事長 厚労科研「稀少てんかんの診療指標と包括医療」研究班班長 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん指導医 日本小児科学会認定小児科専門医・指導医 日本小児神経学会認定 小児神経専門医、指導医 日本臨床神経生理学会認定専門医・指導医(脳波分野) 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 身体障害者福祉法第15 条指定医師 |
経歴 | 1985年 大阪大学卒 |
関心ある分野 | ドラベ症候群、ウエスト症候群、CDKL5 関連てんかん、グルコーストランスポーター1(Glut-1)欠損症など、小児てんかんに関連する各種症候群 脳磁図など、てんかんの臨床神経生理学的評価 小児てんかんの外科治療適応の検討、てんかんの食事療法(ケトン食療法) |
業績 | 参照リンク |
臼井 直敬(うすい なおたか)
脳神経外科
役職 | 統括診療部長、脳神経外科医長 日本てんかん学会評議員 日本てんかん外科学会世話人 関東機能的脳外科カンファレンス世話人 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医・指導医 日本脳神経外科学会認定脳神経外科認定医・専門医 日本臨床神経生理学会認定専門医(脳波分野) 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 |
経歴 | 1993年 名古屋大学卒 |
関心ある分野 | てんかんの手術(外科治療) 当院ではすべてのてんかん外科手術が可能です。術前評価を徹底的に行っています。当院の大きな特徴は、手術数が多いことのみならず、手術数に占める根治術の割合が高いことです。侵襲的な頭蓋内脳波検査は適応を絞って行っており、大半の手術を行う方では頭蓋内脳波検査を行うことなく手術に進んでいます。また、術前・術後の包括的な評価・支援をこころがけています。 |
業績 | 参照リンク |
西田 拓司(にしだ たくじ)
精神科
役職 | 臨床研究部⾧ 日本てんかん学会理事 日本てんかん学会東海北陸地方会運営委員 全国てんかんリハビリテーション研究会理事・運営委員 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医・指導医 日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医 精神保健指定医 身体障害者福祉法第15条指定医師 |
経歴 | 2000年 京都大学卒 |
関心ある分野 | 思春期~成人期てんかんの診断、治療、予後 てんかんの精神症状 てんかんのリハビリテーションと心理社会的側面 患者学習プログラム(MOSES・famoses) |
業績 | 参照 |
大谷 英之(おおたに ひでゆき)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医長 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん指導医 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 ボツリヌス製剤療法(ボトックス注射)実施医 日本小児科学会認定小児科専門医・指導医 日本小児神経学会認定小児神経専門医 身体障害者福祉法第15 条指定医師 |
経歴 | 浜松医科大学卒 |
関心ある分野 | 妊娠とてんかん (妊娠と抗てんかん薬に関する多施設前向き観察研究JRAP 事務局) (妊娠と抗てんかん薬に関する国際研究EURAP ナショナルコーディネーター) EMDR 治療有資格者 てんかんのリハビリテーションと心理社会的側面 てんかん学習プログラム(MOSES・famoses) |
山口 解冬(やまぐち ときと)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医長 |
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専門資格 | 日本小児科学会専門医 日本てんかん学会認定てんかん専門医・指導医 |
経歴 | 2001年 弘前大学卒 |
関心ある分野 | 小児てんかん一般、ウエスト症候群、ドラベ症候群など小児てんかんに関する各種症候群、抗てんかん薬だけでなく、外科対象をはじめ治療可能な疾患をきちんと診断につなげることを目指しています。 |
山崎 悦子(やまざき えつこ)
脳神経内科
役職 | てんかん科(脳神経内科)医長 療育指導科長 (重症心身障害児者病棟の入所・短期入所等担当) |
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専門資格 | てんかん学会認定てんかん専門医・指導医 日本神経学会認定神経内科専門医・指導医 日本内科学会認定内科医 |
関心ある分野 | てんかん学一般 |
芳村 勝城(よしむら まさき)
脳神経内科
役職 | てんかん科医師 |
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経歴 | 1987年 川崎医科大学卒 |
関心ある分野 | てんかんの内科治療 |
業績 | 風疹症候群に認められる頭部CT,MRI異常と臨床症状との関連. 脳と発達1996: 385-390 A novel neurological disorder with progressive CNS calcification, deafness/ renal tubular acidosis, and microcytic anemia. Dev Med Child Neurol 1997: 198-201 Transsynaptic cell death of neurons following striatopallidal lesions does not occur in substantia nigra pars reticulata in developing rats. Developmental Brain Research 1998: 25-33 側頭葉てんかんにおける脳磁図所見とWAIS-R所見との関係: 臨床脳波 2004: 500-504 An analysis of epileptic negative myoclonus by magnetoencephalography. Epilepsy Res. 2015: 139-45. |
川口 典彦(かわぐち のりひこ)
脳神経内科
役職 | てんかん科(脳神経内科)医長 検査科長 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医 日本臨床神経生理学会認定専門医(脳波分野、筋電図・神経伝導分野) 日本神経学会認定神経内科専門医・指導医 日本内科学会認定内科医 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 身体障害者福祉法第15 条指定医師 |
経歴 | 2007年 東北大学卒 |
関心ある分野 | 成人てんかん 脳波・電気生理学 認知症・高次脳機能障害 自己免疫性脳炎 睡眠関連疾患 |
徳本 健太郎(とくもと けんたろう)
脳神経内科
役職 | てんかん科(脳神経内科)医師国際協力室長 |
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専門資格 | てんかん学会認定てんかん専門医 日本神経学会認定神経内科専門医 日本内科学会認定内科医 |
関心ある分野 | 包括的なてんかん診療を行うために、てんかん一般について広く興味があります。 その中でも特に、てんかんの原因となる脳の病気(自己免疫性疾患、神経変性疾患など)の診断、てんかんと紛らわしい別の病気の診断、焦点てんかんの局在診断(てんかん外科手術の術前評価とほぼ同義です)などは、脳神経内科をバックボーンに持つ自分に求められている能力だと考えています。 またできるだけ守備範囲が広く、頼みやすいことも脳神経内科に求められていると思います。 上記に該当しなくても、ここに来て良かった・紹介して良かったと一回でも多く思ってもらえるよう、診療に臨んでいます。 |
露崎 悠(つゆさき ゆう)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 日本小児科学会認定小児科専門医日本小児神経学会認定小児神経専門医AHA PALSインストラクター | 関心ある分野 | 神経代謝疾患代謝性てんかん |
宮下 光洋(みやした みつひろ)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 日本小児科学会認定小児科専門医 |
経歴 | 2005年 大阪市立大学卒 |
関心ある分野 | 日本小児科学会、日本小児神経学会、日本てんかん学会、日本人類遺伝学会、日本小児感染症学会に所属しています。 |
水谷 聡志(みずたに さとし)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 日本小児科学会認定小児科専門医 日本てんかん学会認定てんかん専門医 |
経歴 | 2013年 大阪大学卒 |
関心ある分野 | 小児のてんかんに関する各種症候群 てんかん外科術前精査 重症心身障害児のてんかん診療 |
美根 潤(みね じゅん)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医・指導医 日本小児神経学会認定小児神経専門医 日本小児科学会認定小児科専門医・指導医 臨床研修指導医 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 身体障害者福祉法第 15 条指定医師(肢体不自由) famosesトレーナー(MOSES企画委員会/公益社団法人 日本てんかん協会) |
経歴 | 2004年 島根医科大学卒 |
関心ある分野 | てんかん学習プログラム(famoses) てんかんと遺伝診療 驚愕病の臨床像の解明、病態解析、診断及び治療指針の作成 |
業績 | 参照リンク |
小川 博司(おがわ ひろし)
脳神経外科
役職 | てんかん科(脳神経外科)医師 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医・指導医 日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 |
経歴 | 2010年 旭川医科大学卒 |
関心ある分野 | 高周波律動の解析によるてんかん焦点診断と脳機能マッピング ブレイン・マシン・インターフェース |
業績 | Clinical Impact and Implication of Real-Time Oscillation Analysis for Language Mapping. Ogawa H, World Neurosurg. 2017 Jan;97:123-131. |
黒見 洋介(くろみ ようすけ)
脳神経外科
役職 | てんかん科(脳神経内科)医師 |
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専門資格 | 日本脳神経外科学会認定専門医・指導医 機能的定位脳手術技術認定医 |
経歴 | 2010年年福島県立医科大学医学部医学科卒業 |
関心ある分野 | てんかん一般 機能的脳神経外科 |
萩原 真斗(はぎわら まなと)
脳神経内科
役職 | てんかん科(脳神経内科)医師 |
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専門資格 | 日本神経学会認定神経内科専門医 日本内科学会認定内科医 |
経歴 | 2014年 群馬大学卒 |
関心ある分野 | 成人てんかんの診断と治療 自己免疫性脳炎 脳炎後てんかん てんかんにおける認知機能 |
業績 | 症例報告論文(和文)「合併した二次性水頭症により抗結核治療の有効性判断に苦慮した髄膜炎の1例」 神経感染症, 25 (1): 139-145, 2020. |
田中 美帆(たなか みほ)
脳神経内科
役職 | てんかん科(脳神経内科)医師 |
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経歴 | 2020年 東京女子医科大学卒 |
関心ある分野 | てんかん一般 てんかんに関する基礎的な研究 てんかん診療における多職種連携 |
井口 晃宏(いぐち あきひろ)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 日本小児科学会認定小児科専門医 |
経歴 | 2013年 滋賀医科大学卒 |
関心ある分野 | ・一般小児科、小児てんかん学 |
業績 | ・Iguchi A, Aoki Y, Kitazawa K. Progressive skin rashes of incontinentia pigmenti during infancy. Pediatrics International 2019; 61: 1065-66. ・Iguchi A, Aoki Y, Kitazawa K. Prepatellar septic bursitis in an 8-year-old boy. BMJ Case Rep 2018; 11: e228564. ・Iguchi A, Aoki Y, Kitazawa K. Vancomycin for severe staphylococcal scalded skin syndrome. J Paediatr Child Health 2021; 57: 747-48. ・Iguchi A, Aoki Y, Kitazawa K. Food protein-induced enterocolitis syndrome causing hypovolemic shock in infants with Down syndrome. Cureus 2021; 13: e18366. ・Aoki Y, Iguchi A, Kitazawa K, Kobayashi H, Senda M, Honda A. Differences in clinical findings based on the duration of symptoms and age of children with ileocolic intussusception: a single-institution survey in rural Japan. Pediatr Emerg Care. 2021; 37: 537-542. ・Iguchi A, Aoki Y. Challenges in demonstrating an association between non-infectious diarrhea and urinary tract infections. Pediatr Emerg Care. 2023; 39: 64. ・井口晃宏、青木義紘、北澤克彦.抗毒素血清投与を行った小児マムシ咬傷の8例.日小児救急医会誌 2018; 17: 401-407. ・井口晃宏、青木義紘、北澤克彦.ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群40例の臨床的検討.小児科臨床 2021; 74: 501-506 ・井口晃宏、青木義紘、北澤克彦.ヨクイニン内服中に多形紅斑型薬疹を発症し、ステロイド治療中に敗血症を合併した10歳男児例.小児科臨床 2022; 75: 839-843. |
矢部 友奈(やべ ともな)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 小児科専門医 |
経歴 | 2014年 大分大学卒 |
関心ある分野 | てんかん一般 |
矢部 愛美(やべ まなみ)
小児科
役職 | てんかん科(小児科)医師 |
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専門資格 | 小児科専門医 |
関心ある分野 | 小児てんかん一般 |
橋口 充(はしぐち みつる)
脳神経外科
役職 | てんかん科(脳神経外科)医師 |
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専門資格 | 日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
経歴 | 2011年 高知大学卒 |
関心ある分野 | てんかんの手術(外科治療) 脳腫瘍関連てんかん 分子生物学的アプローチを使ったてんかん原生の解明 |
業績 | 参照リンク |
奥村 太郎(おくむら たろう)
脳神経外科
役職 | てんかん科(脳神経外科)医師 |
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専門資格 | 日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医 |
経歴 | 2016年 富山大学卒 |
関心ある分野 | てんかんの外科治療 てんかん一般 機能的脳神経外科 |
上田 祐一(うえだ ゆういち)
精神科
役職 | てんかん科(精神科)医師 |
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経歴 | 2017年卒 |
関心ある分野 | てんかん 認知症 産業保健 |
業績 |
丸山 泰(まるやま やすし)
精神科
役職 | てんかん科(精神科)医師 | 関心ある分野 | てんかん一般・臨床精神学一般・神経発達症 |
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村松 良一(むらまつ りょういち)
精神科
役職 | てんかん科(精神科)医師 | 経歴 | 2021年 信州大学卒 |
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関心ある分野 | てんかん一般、精神科領域一般 |
日吉 俊雄(ひよし としお)
精神科・非常勤医師
役職 | てんかん科(精神科)非常勤医師 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医 |
経歴 | 1979年 群馬大学卒 |
関心ある分野 | てんかんの薬物治療 |
重松 秀夫(しげまつ ひでお)
小児科・非常勤医師
役職 | てんかん科(小児科) 非常勤医師 |
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専門資格 | 日本てんかん学会認定てんかん専門医 日本小児科学会認定小児科専門医 日本小児神経神経学会認定小児神経専門医 |
経歴 | 1980年 鳥取大学卒 |
関心ある分野 | 小児難治てんかん 重症心身障がいのてんかん |
高橋 幸利(たかはし ゆきとし)
小児科・非常勤医師
役職 | 静岡てんかん・神経医療センター名誉院長 岐阜大学医学部客員臨床系医学教授 静岡県立大学客員教授(薬学部) 日本ケトン食療法学会理事 |
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専門資格 | 日本小児科学会小児科専門医、指導医 日本小児神経学会小児神経専門医 日本てんかん学会専門医、指導医 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医・指導医 |
経歴 | 1982年 岐阜大学卒 |
関心ある分野 | 脳炎後てんかん、免疫介在性脳炎 ラスムッセン症候群、・乳児てんかん性スパズム症候群、ドラベ症候群、光感受性てんかん、他 |
業績 | 参照リンク |
てんかん科
小児科
小児科では乳幼児以降のてんかん患者さんを対象とし、診断のすでに付いている方の治療だけでなくだけなく、てんかんかどうかの診断も含めて診療を行っています。詳しい問診と診察、適切な検査を組み合わせ、正しいてんかん診断と背景の基礎疾患の検索も含め治療を行うよう心がけています。また発作症状だけなく併存症状への対応も考慮しています。
外来
初診外来と定期フォローの再診外来を行っています。当院だけに通院している方だけでなく、遠方の方や地元かかりつけの病院と連携して治療方針の確認や脳波検査、血液検査、MRI検査などを行っている患者さんも多くいます。
入院
検査入院
外来だけでは判断の難しい患者さんに、長時間脳波を基本に、気になる症状がてんかんかどうかも含めた鑑別診断から、てんかん病型の診断、基礎疾患の検索、治療法や発作対応の相談などを発達評価、療育支援、リハビリ含めた入院を行っております。この中で外科対象となりそうな場合は適宜追加検査を行っています。また、遠方などで、外来通院が困難な場合は必要に応じて検査を組み合わせ、数泊からの定期検査入院も行っております。入院期間に関しては個々の事情を配慮し担当医と相談して決めています。
治療入院
てんかん発作に難渋する場合やリハビリなど数ヶ月前後の期間を相談に応じて、目標をきめて薬剤調整を基本とした治療入院を行っています。また特殊治療としてACTH治療、食事療法(ケトン食 修正アトキンス食)、免疫治療なども必要に応じて行っています。小中学生の長期入院では院内学級への転籍も可能で、学童未満のお子さんに関しては専門のスタッフによる療育支援も行っております。
入院期間を問わず、重複障がいや発達の問題を抱えるお子さんをはじめ、すべてのお子さんに、看護、療育、リハビリ、ケースワーカなど多職種で、発作だけでなく、日常生活の改善や発達も大切にした治療を心がけています。
てんかんの外科治療
当院のてんかん外科治療の特徴
- 根治術の可能性を徹底的に追及し、手術症例に占める根治術の割合が極めて高いこと
- 術前の検査を十分に行い、侵襲的な頭蓋内脳波検査はごく限られた患者さんにのみ行っていること
- 包括医療を重視していること
表に近年の年度ごとの手術数、根治術数などを示しています。脳梁離断やVNS(迷走神経刺激療法)は緩和術です。手術数全体に占める根治術の割合が極めて高いことがお判りいただけると思います。
また、電極留置とは、頭蓋内脳波検査のための頭蓋内電極を留置する手術ですが、この件数は2017年度以降、一桁で推移しています。これは、術前の非侵襲的な検索の進歩、特に画像診断の進歩によって、以前であれば侵襲的な頭蓋内脳波検査を経て手術を行っていたような患者さんの多くで、現在では頭蓋内脳波検査を行うことなく手術に進めるようになったことを示しています。頭蓋内脳波検査は患者さんにとって身体的、精神的、経済的な負担となる検査であり、どうしても行わざるを得ない方を除き、避けるべきと考えています。
図は、根治術を行った方で術後に発作がどうなったかを示しています。約7割の方が発作から解放され、1割の方では発作が稀にしかみられなくなりました。
てんかん外科治療の究極の目的は患者さんの生活の質(QOL)の向上です。てんかん発作以外の併存症などが患者さんのQOLを阻害していることは少なくありません。当院ではQOLの向上のために、術前、術後にわたっての多職種による継続的、包括的な評価、支援をこころがけています。
※表をタッチして左右に動かすことができます
年度 | 総数 | 根治術数 | 側頭葉 | 側頭葉外 | 多脳葉切除・離断 | 半球離断 | 脳梁離断 | 電極留置 | 電極抜去 | VNS留置 | VNS交換 | ||
選択的扁桃体海馬切除 | 側頭葉前部切除 | 病巣切除 | 病巣切除脳葉切除 | ||||||||||
2015 | 70 | 58 | 18 | 10 | 3 | 21 | 3 | 3 | 0 | 11 | 1 | 0 | 0 |
2016 | 70 | 52 | 17 | 8 | 6 | 17 | 1 | 3 | 3 | 12 | 3 | 0 | 0 |
2017 | 64 | 54 | 19 | 14 | 1 | 16 | 1 | 3 | 1 | 6 | 3 | 0 | 0 |
2018 | 72 | 57 | 12 | 8 | 6 | 26 | 3 | 2 | 5 | 5 | 1 | 4 | 0 |
2019 | 90 | 70 | 13 | 18 | 12 | 19 | 6 | 2 | 5 | 9 | 3 | 1 | 2 |
2020 | 84 | 70 | 16 | 16 | 6 | 25 | 4 | 3 | 4 | 8 | 0 | 2 | 0 |
2021 | 81 | 63 | 10 | 18 | 4 | 23 | 4 | 4 | 6 | 7 | 4 | 1 | 0 |
成人てんかん科
脳神経内科、脳神経外科、精神科の専門の医師が在籍しています。患者さんの希望にあわせて各科の医師が担当します。
当院は日本最大のてんかんセンターで、てんかん専門医数が最大、患者さんの数も最多であり、経験豊富な医師が担当します。
以下では、各医師の得意分野などを紹介していますので、ご覧ください。
てんかん科の診療内容
診療においては、てんかんかどうかの診断をまず行います。てんかんかどうかの診断は専門家でも難しいことがあり、正確な診断を心がけています。一方で、てんかんと診断されていても、実際にはてんかんでない方も少なくありません。そのため、まずはてんかんかどうかの確認を行うことが重要です。外来でお話を聞いて診断がつくことが多いですが、診断が難しい場合には入院して長時間ビデオ脳波モニタリングという検査を行うこともあります。
次に、てんかんであるとわかった場合には、全般てんかんか焦点てんかん(部分てんかん)かを判断します。てんかんは脳の興奮性が高まっている部位によって全般てんかんか焦点てんかんかに分かれますので、これを判断します。この診断は、お薬の選択に関わってくるため重要です。
てんかんの原因も治療方針決定に重要です。てんかんの原因となっているものが脳の中にないかどうかを画像検査で調べます。全身の病気の一つの症状としててんかんが生じている可能性もあるので、体の検査を行うこともあります。最近では、てんかんの原因として自己免疫性脳炎というものが隠れている場合のあることが知られてきました。そのため脳炎が疑われる場合にはさらに専門的な検査を追加します。一方で、てんかんの中には特発性といって、原因がはっきりしない、体質的に脳が興奮しやすい状態というものもあります。原因が分からない=よくわからない、ということではありませんので、不安があれば、主治医の先生に確認してください。
治療は薬物治療、外科的治療、食事療法など、てんかんに関する多彩な治療を提供できます。最新のデータと長年の経験に基づいた薬物治療を行います。また、検査結果によっては、外科的な治療でてんかんの原因となる悪い部分を取り除いて、てんかんを治すこともできる可能性もあります。就労訓練やリハビリテーションなども可能です。お薬の処方は基本的には外来で行いますが、外来での治療が難しい場合や患者さんからのご希望があれば入院してお薬調整を行うことも出来ます。手術できるかどうかの詳しい検査は入院して頂いて行います。入院期間は目的や患者さんの希望によって調整できますので、事前にご相談ください。