てんかんの方への新型コロナワクチン接種に関して、現在十分なデータがまだありません。国際抗てんかん連盟による、「新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンとてんかんをもつ人」という記事をご参照ください。(https://www.ilae.org/patient-care/covid-19-and-epilepsy/covid-19-vaccines-and-people-with-epilepsy/covid-19-vaccine-japanese)
またドイツでの経験によると、54名のてんかんの方が1回目の新型コロナワクチンを接種された結果、約2/3の方が特に副作用は出現せず、33%の方が一般的な予防接種の副作用を経験されました。一般的な副作用としては、頭痛(17%)、倦怠感(15%)発熱と震え(9%)、消化器症状(4%)でした。てんかんに関する接種後数日以内の副作用として、一人の方が翌日に発作頻度が増加し、もう一人の方が新しい発作型の発作が出現しました。しかし接種された方の全員において、てんかん重積発作やより激しいてんかん発作が生じたり、もともとあった抗てんかん薬の副作用が増悪したりはしませんでした。(Epilepsy Behav. 2021 Sep; 122: 108160.doi: 10.1016/j.yebeh.2021.108160)。
ワクチン接種後に一時的に発熱などの体調不良が生じる可能性はどなたにもあるため、これまでそのような体調不良時にてんかん発作が増悪した経験のある方は同様の状況が生じるかもしれません。ワクチン接種による新型コロナウイルスへの予防効果と、ワクチン接種後の体調不良による影響を考慮し、ワクチン接種を受けるかどうかを判断する必要があります。