入院のご案内
病棟紹介
A2病棟(脳神経内科)
パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの筋・神経難病、認知症の患者さんの精密検査や確定診断を目的とした入院、治療入院を受け入れています。
病気の特殊性から入退院を繰り返す患者さんも多く、理学療法士・作業療法士・言語療法士のリハビリテーションや薬剤師による服薬指導、ソーシャルワーカーの介入による退院支援など、コメディカルスタッフとの連携は欠かせません。
病気の進行状況に応じた専門的なケアとご家族の指導に力を入れており、患者さんひとりひとりに適した看護を提供しています。
例えば、浴室は、寝た姿勢のストレッチャー浴、座った姿勢の車椅子浴、一般浴の3種類の設備を備えています。
病気の進行状況によってはこれまでと同じように過ごすことが難しい場合もあります。
在宅に戻られる患者さんには、「在宅医療体験室」でご家族の方と在宅生活を想定したケアや処置の方法を練習できるようになっています。
A3病棟
A3病棟はてんかん診断、てんかん発作型、外科治療の可能性ついての精査、外科治療、薬物治療を行っている病棟です。
てんかんの診断確定を円滑に行うため、長時間脳波検査ができる病室を6床完備しています。
また、てんかん発作の観察・対応には専門的な知識や技術が必要になるため、研修に参加し、学習した看護師が、患者さんの発作対応を行っています。
てんかんの治療は、発作の抑制を目指すだけではありません。患者さんが困っていることを明らかにし、生活の質の向上のための支援を大切にしています。そのため、脳外科医、精神科医、神経内科医、看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカー、リハビリ、薬剤師などの多職種チームによる包括的支援に取り組んでいます。
てんかんの外科治療
てんかんの外科治療には、手術の適応について精査する入院、手術のための入院があり、患者さんが安心、安全に手術をおこなえるように、丁寧で分かりやすい説明を心がけています。
手術の前には、リハビリ・療育・心理・看護・医師などの多職種により術前カンファレンスをおこない、手術が円滑にすすみ、術後の生活が安心で安全に過ごせるように取り組んでいます。
退院後についても、術後3カ月、1年、2年、5年目の短期検査入院をおこない、術後の経過をフォローし、患者様の不安や困ったことについての支援をおこなっています。
脳波室
A3病棟にある脳波室は2人部屋が2部屋、つきそい等が可能な1人部屋が2部屋あります。脳波室には入院中の方を常時撮影できるカメラと頭部に装着された電極から伸びるコードがあることが特徴となっています。発作を確実に捕捉できるように、脳波検査中は普段生活している様子を常に撮影させていただき、頭に装着している脳波と組み合わせることで発作の形態や起始部位を特定するのに活用させていただきます。
脳波室には、洗面所やトイレも設置されているため、脳波検査中はそのお部屋の中で過ごすことができるようになっています。
手術後に過ごすお部屋
手術後から約1週間過ごしていただくお部屋があります。手術当日は、看護師が常時看護させていただき、翌日からはご家族のつきそいも可能となります。手術後は患者さんができるだけ快適に過ごせるように援助させていただきます。
A4病棟(小児てんかん病棟)
難治性てんかんはもちろんのこと、発作症状がはっきりせず
「本当にてんかんだろうか?」という疑問をお持ちのお子さんも対象に、
てんかんであることの確認、どのようなてんかん発作があり、
どのようなてんかん症候群に該当し、どのような背景疾患や原因疾患があり、
どのような合併症があるかを調べるために、
長時間ビデオ脳波、MRI、脳血流スペクト、髄液検査、心理検査、発達(知能)検査などのうち、
お子さんにとって必要と考えられる検査を行います。
また、てんかん発作の観察や対応、治療や検査と並行して、
発達段階に応じた日常生活への働きかけを他職種と協力して行っています。
入院を続けながらの薬剤調整も可能で、新たな抗てんかん薬を導入するだけではなく、
有効でないと考えられる薬剤の減量・中止を試みることは、
多剤併用による弊害を防ぐために極めて重要です。
入院中に減量を進めることで思わぬ発作増悪があっても、迅速な対応が可能となります。
難治性てんかんのお子さんには、ACTH療法や食事療法(ケトン食やアトキンス食)の
導入や脳外科医とも相談しながら外科治療の可能性を調べることも可能です
ゆっくり食事をしたり、中央のテレビでTVやDVDを観て過ごすことができます。
検査中ゆっくり安全に過ごせるようテレビやマットがあります。
検査中、本人の好きなDVDを観て過ごすことができます。
A5病棟(てんかん思春期)、脳神経内科(レカネマブ点滴センター)
てんかん小児・成人混合病棟の紹介
子どもから大人まで様々な年齢の方が入院されています。
検査目的の入院、抗てんかん薬の薬物調整や外科治療に向けた検査、食事療法の導入など入院期間・入院目的も様々です。
様々な年齢の方が入院されているため、その時々で患者さんに合わせた対応・ご家族に依頼するサポート方法も変化します。主治医や薬剤師・栄養士・リハビリ・ソーシャルワーカーなど多職種が連携しチームとなり、疾患の状態、成長発達段階、家族背景などの情報から対応策を検討し個別性のある生活支援を計画し実施しています。MOSES・famosesのトレーナー研修を修了した看護師も在籍し、退院後安全で安心な生活が送れるように患者さん、ご家族も治療に参加し疾患や生活について学ぶことができるような支援を目指しています。
A5病棟では、入院生活における患者さん同士やスタッフとの様々なコミュニケーションを通して、疾患に対する理解が深まり、他者との交流を通じて学習できる機会になるような看護の提供を目指しています。
時には・・病棟活動として
小さな畑ですが、季節の野菜や花を育てながら
患者・家族も参加し種蒔き・草取り・収穫を楽しむこともあります。
季節の変化を感じながら、患者同士・家族同士・スタッフとの
コミュニケーションの場になっています。
A6病棟
てんかん専門医である精神科医や神経内科医と、てんかん看護に精通した看護師が担当します。
長時間ビデオ脳波同時記録を用いて発作を確認することで、正確な診断と適切な治療を行います。
診断やフォローアップのための検査入院から薬剤調整のための入院まで、数日から数ヶ月の入院が可能です。
看護師は発作の観察、服薬管理、生活リズムの調整、安全管理とともに、他職種と連携し、患者の発達段階や家族機能などの生活背景を捉え、心理社会的問題の解決への手助けや、退院後の社会参加を意識した援助を行っています。
発作治療のみならず、リハビリや心理、医療相談など他部門と連携して包括的なてんかん診療を目指しています。
具体的には運動・作業などの病棟活動、園芸活動、てんかん勉強会、MOSESを用いた学習会などを実施しています。
活動と休息のバランスを考えた生活リズムの調整・発作を抱えながらも安全な生活を送るためのアドバイス、発作や病気による悩みを軽くしてんかんと上手く向き合っていくためのお手伝いをします。
また、入院では同じ病気を抱える患者同士が交流できることもメリットです。