レジデント医師募集

独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センターではレジデント医師を募集しています。
小児・成人のてんかん学・てんかん外科、神経内科学、重症心身障害医療の研修を希望される若い医師を期待しています。
詳細については、

をご覧ください。

ご連絡・お問い合わせは下記まで。

〒420-8688 静岡市葵区漆山886
独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 今井克美(院長)
電話:054-245-5446 Fax:054-247-9781
email:307-doctor@mail.hosp.go.jp

レジデント医師募集要項

概要

当院は、平成13年10月に、国立静岡病院と国立療養所静岡東病院が統合して新たな病院となりました。国立静岡病院からは神経内科機能を、国立療養所静岡東病院からはてんかんセンターの機能を受け継ぎ、重症心身障害児(者)部門を含めた410床の病院として活動しています。診療科は、精神科、神経内科(教育関連施設)、脳神経外科(臨床修練施設)、小児科(特定研修施設)、リハビリテーション科、放射線科、内科、麻酔科で、パラメディカル部門とともに学際的にてんかんおよび神経筋疾患の診療・研究に取り組んでいる専門病院です。

研修年限

3年以内

募集人員

若干名

研修内容

(1)基礎的知識の習得
(2)臨床の実地研修
(3)治療の実際
(4)研究活動

応募資格

医師免許証を取得し、臨床研修2年以上を終了した者

出願手続

(1)提出先:国立静岡てんかん・神経医療センター 副院長 高橋幸利
(2)提出書類:医師免許証の写
大学卒業証書の写あるいは卒業証明書
履歴書
(3)選考方法:面接、書類審査及び健康診断による。

身分

国家公務員(非常勤職員)

待遇等

(1)手当:お問い合わせください(週32時間)、社会保険適応、宿舎有り。
(2)終了:所定の研修を終了した者には修了証書を交付する。

勤務

当院の研修項目および研修方法に基づき、各医長、研究室長、医員の指導のもとに外来及び入院患者の診療等に従事する。

その他

出願に関する問い合わせ及び資料の請求は、
独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 今井克美 まで
〒420-8688 静岡市葵区漆山886  Tel:054-245-5446 Fax:054-247-9781
email:307-doctor@mail.hosp.go.jp ホームページ:https://shizuokamind.hosp.go.jp

レジデント研修について

  1. 研修の目的
    (1)脳神経・筋機能障害、殊にてんかんもしくは神経難病の専門診療に要求される診断、治療、およびリハビリテーション等に関する知識と技術を習得する。
    (2)臨床研究の方法を学ぶ。
  2. 概要
    当院では、神経内科、小児科、精神科、脳神経外科、放射線科、リハビリテーション科および関連科が提携し、詳細な脳神経・筋疾患の症候学、電気生理学、神経放射線学および機能的脳外科学等を基盤にしたてんかんおよび神経内科診療、リハビリテーション、臨床研究をおこなっている。神経・筋機能に関する基礎的・実践的知識を習得し、小児期から老年期までの臨床実践を積み、てんかんもしくは神経内科の専門医療を研修するとともに、研究活動にも参加していただく。
  3. てんかんセンターの特徴
    本邦のてんかん患者数は約100万人であり、年間約6万人の新患者が発生している。今後高齢化社会を迎えるわが国では、高齢者の有病率が増加すると推定される。この約100万人のてんかん患者のうち、現在の抗てんかん薬で発作抑制の困難ないわゆる難治てんかんは約15%になる。厚生省は昭和50年以来、これらの患者に対する専門的な診断・治療・リハビリテーション医療を行い、また研究、研修を行える基幹施設として当院を位置づけてきた。現在までの受診者は2 万4千人に達し、出身地は全国各都道府県および国外にまたがる。1日の外来てんかん患者数は110人、てんかん専門病棟を200床(小児、成人、脳外科)有する。脳神経外科及び小児科(特定研修施設)の臨床修練施設であり、神経磁気診断(脳磁図)の高度先進医療機関認定を受けている。平成13年10月に国立静岡病院と統合し、神経・筋(神経難病)の専門病棟50床を加えた新病院となった。
  4. 神経内科部門の特徴
    神経内科部門では,政策医療の一つである神経筋疾患を対象として診療しる。なかでも,パーキンソン病,脊髄小脳変性症,筋萎縮性側索硬化症などの特定疾患の患者が中心となっている。入院病床数は50床,外来患者数は一日約40名で,生理学的検査機器として,筋電計,2連発磁気刺激装置,マイクロニューログラフィ測定装置,歩行解析装置などを有している。これらに,MRI,CTなどの放射線学的検査などを組み合わせて,総合的な診断を行なっている。末梢神経・筋生検病理学的診断は国立精神神経センターと連携し,剖検による標本は神経病理専門医とともに標本作製から所見の確認まで行っている。遺伝子診断は国立療養所犀潟病院と連携して行っている。日本神経学会の教育関連施設であり,抄読会,病棟カンファレンス,症例検討会,病棟回診などを行い,医師の研修の場を多く設けている。特に関連学会へは積極的に発表または参加し,高度な専門的知識及び技術の習得を目指している。
  5. 重症心身障害部門の特徴
    重症心身障害児(者)のための入院・療養介護施設が160床あり、重度の心身障害、てんかん発作をあわせ持つために家庭での療養生活がきわめて困難な患者を、ショートステイ、生活介護も含め、受け入れている。治療と並行して療育活動や理学療法、訪問学校教育を行っている。重症心身障害児(者)の診断、医学的ケアについて研修していただく。
  6. 臨床研究部
    臨床研究部は昭和56年に設置され、生理、病理、薬理、遺伝子・生化学、リハビリテーション、疫学医療情報の6研究室を有し、臨床研究およびそれに関連する基礎研究、研修事業、情報発信を行っている。文部科学省科学研究費補助金指定研究機関である。なお、当院は国際医療協力施設でもあり、海外との医療連携・研修を行っている。
  7. 行事
    定期的に行っている行事は、院長・副院長回診、症例検討会、医局カンファランス、外来カンファランス、病棟カンファランス、脳波判読・発作VTR 検討会、抄読会、リハビリ研究会、院内研修会、セミナー(医師セミナー年2回、専門職セミナー年数回、公開セミナー年2回)等である。学会・研究会等には積極的に参加していただく。
  8. 勤務
    当院の研修項目および研修方法に基づき、各医長、研究室長、医員の指導のもとに外来及び入院患者の診療等に従事する。

研修カリキュラム

卒後研修目的

(1)基礎的知識の習得
(2)臨床の実地研修
(3)治療の実際
(4)研究活動

研修期間

3年間の研修とし、1週間32時間の研修時間を割り当てる。

研修方法

研修は原則として実地診療経験(週5日)と、臨床症例検討会を通して行われる。一部、講義形式の研修項目も含まれる。 実地診療の場は、各年次により下記のとおり配分する。
第1年次:てんかんでは外来診療棟を主とする。神経内科では入院病棟を主とする。
第2年次:入院病棟を主とする。
第3年次:1 外来・入院診療棟とリハビリテーション科
第3年次:2 外来・入院診療棟と臨床研究部

研修カリキュラム(別項)

カリキュラムには、てんかん医療および神経内科医療に関連する諸項目が網羅されている。これら項目の大半は3年間を通じて重複し、反復研修されるが、大まかには第1年次には、てんかん学および神経内科学全般にわたる展望をまず受講し、以後てんかん学および神経内科の基礎的研修項目を消化する。 第2年次は、豊富な症例検討(診療ならびに症例検討会)を通じて第1年次より始められた、てんかんおよび神経内科の症状学・診断学・治療学の実習を強化する。併せて第1年次より必修科目として始められた、臨床神経学・臨床脳波学の研修も繰り返し科せられる。研究活動にも参加する。
第3年次は、社会復帰部門での研修が加えられ、てんかん医療の社会医学的側面を理解する。また重症心身障害部門での研修も行う。他方、院内で行われている研究により積極的に参加し、広く医学研究の方法論を理解する。併せて臨床薬理学・病態生理学・生化学・遺伝学・病理学などの動向を知る機会をもつ。

研修内容

(1)診察
神経学的・精神医学的・脳外科的診察、発達診断、てんかん診断
(2)検査
一般臨床検査以外に:
電気生理学的検査(多チャンネル脳波計25台、誘発電位記録装置、筋電図、脳磁図、磁気刺激装置、マイクロニューログラフィ、睡眠解析装置等)
画像検査(CT, MRI, SPECT, CAG、光トポグラフィー等)
神経病理学(電顕を含む)
神経心理学
薬理学・生化学的諸検査
遺伝子診断
(3)治療
薬物治療、脳外科治療の適応と実際、リハビリテーション治療、包括医療等
(4)基礎的知識の習得
抄読会、カンファランス等への参加以外に、個別指導も行う。
(5)臨床研究
ア)患者を対象とした臨床的諸資料をもとに、科学的な臨床研究を行う。
イ)基礎的研究として、動物モデルを用いた研究、脳スライス標本での細胞生理研究、免疫組織病理、薬理学的研究、生化学研究、遺伝子研究等が可能であり、臨床研修と並行してこれらの研究に参加することも可能。
ウ)研究会・学会での症例報告や研究報告、邦文・英文研究論文作成、博士論文作成。

研修カリキュラム年次別

A てんかん学

第1年次

  1. てんかん学概論:てんかんの概念と序説―てんかん及びてんかん発作の症候論―てんかんの病因―てんかんの病態生理、生化学、病理学―てんかん診断学概論―てんかん治療学概論―てんかんの予後に関する概論―てんかんの心理学・社会学的側面の概説
  2. てんかんの症候学(その1):てんかんの発作時、発作間欠時の精神身体症状
  3. てんかん診断学(その1):病症聴取―神経学的検査法・精神状態・行動のみかたー補助診断法の進め方―総合診断の要領
  4. てんかん治療学(その1):てんかん薬物治療の理論と実際
  5. 臨床神経学(小児神経学を含む)並びに精神医学(その1)
  6. 臨床脳波学(その1 基礎):てんかんの脳波をはじめ、広く臨床脳波全般にわたる研修を行う。その1として、基礎的知識の理論と実際。
  7. 神経放射線学(その1):頭部単純写真、CT、MRI、SPECT、脳血管撮影等の理論と実際。

第2年次

  1. てんかん症候学(その2)
  2. てんかん診断学(その2)
  3. てんかん治療学(その2):脳外科的治療の術前評価の研修を含む。
  4. 臨床神経学、神経医学(その2)
  5. 臨床脳波学(その2)
  6. 神経放射線学(その2)
  7. 研究活動への参加:臨床研究への参加ならびに研究発表

第3年次

  1. てんかん症候学(その3)
  2. てんかん診断学(その3)
  3. てんかん治療学(その3)
  4. てんかんの包括医療:リハビリテーション科での治療の理論と実際。てんかん患者のかかえる社会医学的症状の医療を考える。
  5. 臨床脳波学(その3)
  6. 重症心身障害の研修
  7. 研究活動への参加:研究事項を論文にまとめる。

B 神経内科学

第1年次

  1. 神経内科学概論:神経内科で扱う主な疾患の概説。
  2. 神経疾患と社会制度:特定疾患登録制度と介護保険および身体障害者福祉法についての概説。
  3. 神経内科診断学(その1):病症聴取―神経学的診察法。
  4. 検査方法についての概説:筋生検、神経生検の意義と方法。自律神経機能検査法。
  5. 神経疾患の治療(その1):主な疾患についての治療の理論と実際。
  6. 電気生理学(その1 基礎):脳波、筋電図についての基礎的知識の理論と実際。
  7. 神経放射線学(その1):神経内科疾患における頭部単純写真、CT、MRI、SPECT、脳血管撮影等の理論と実際。
  8. 神経病理学(その1):筋肉、神経生検標本の見方。中枢神経系の病理の見方。
  9. 神経心理学(その1):失語、失行、失認の見方。

第2年次

  1. 神経内科診断学(その2)
  2. 検査方法(その2)
  3. 神経疾患の治療(その2)
  4. 電気生理学(その2)
  5. 神経放射線学(その2)
  6. 神経病理学(その2)
  7. 神経心理学(その2)
  8. 研究活動への参加:臨床研究への参加ならびに研究発表

第3年次

  1. 神経内科診断学(その3)
  2. 観血的検査方法(その3)
  3. 神経疾患の治療(その3)
  4. 電気生理学(その3)
  5. 神経放射線学(その3)
  6. 神経病理学(その3)
  7. 神経心理学(その3)
  8. 研究活動への参加:研究事項を論文にまとめる。