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No.3 2002秋 |
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目 次 |
●病棟紹介 |
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●遺伝相談について |
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●放射線科のおしごと |
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●リハビリテーション科 |
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●第43回
合同難病医療生活相談会 |
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●第2回
MSセミナー静岡 多発性硬化症勉強会 |
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●編集後記 |
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●病棟紹介 |
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今回は、A2病棟の紹介をします。
当病棟は、2002年10月より国立静岡神経医療センター、神経内科病棟としてスタートしました。現在パーキンソン病をはじめとして、様々な神経・筋疾患の患者様が入院されています。病棟では、医師や看護師だけでなく、理学・作業療法士、言語療法士、薬剤師、栄養士、心理療法士やケースワーカーなど、いろいろな職種の人たちが係わりチーム医療を行なっています。毎週これらの職種の人たちが総合治療計画室に集まって、一人一人の患者様の治療方針を話し合っています。
病棟の特長は、障害があっても日常生活が行いやすいように工夫されているところです。全部屋にトイレと洗面台を設置し、ベッドはすべて電動ベッドとなっており、入浴方法も広い一般浴室、車椅子専用のリフト式浴槽、ストレッチャーでも入浴できる浴槽など、障害に応じて選択しています。ディールームでは食事のほか、ご家族や面会にみえた方との談話室として、また医師・看護師・患者様やご家族の方々との懇談会にも利用しています。テーブルの高さが調節出来るため、車椅子でも自由に利用することが出来ます。
さらに、当病棟には在宅療養体験室を設置しました。患者様のベッドや浴室のほかに、高さの調節できるキッチン、トイレ、洗面所や応接セット、和室などがあり、ご家族の方とともに利用していただけるようになっており、退院前に患者様とご家族の皆様が在宅療養と介護の体験ができます。障害があると不安に思い、具体的な手順が分からないため、なかなか自宅での療養に踏み切れないものですが、この体験室により少しでも多くの方が自信を持って退院できるようにしていきたいと思っています。
以上のように私達は、すべての職種がスクラムを組みながら、ご家族の皆様と協力し合って、患者様を看させていただきます。まだ病棟を立ち上げてから一年に満たないため、患者様、ご家族の方々が満足いただけない点も多々あると思いますが、今後も患者様やご家族の方が安心して入院生活が送れるよう努力していきたいと思っています。 (A2病棟 副看護師長 大村素子)
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●遺伝相談について |
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最近、遺伝に関連した話題を耳にすることが多くなりました。たとえば、クローンといった言葉や遺伝子組み換え食品など聞かれたことがあると思います。また、この病院に受診されていらっしゃる患者さんやご家族の中にも、関心をお持ちの方がいらっしゃると思います。
遺伝とは親から子に体の形や色などさまざまな特長が遺伝子を介して伝わっていく現象です。皆さんが、皆さんのご両親や子供さんと、顔の形や肌の色が似ていることは、この遺伝と関連しているひとつと考えられます。また、風邪を引きやすいとか、お酒に強いとかいったことも遺伝と関連した現象です。
こうした遺伝は、デオキシリボ核酸(DNA)という化学物質が、決められた順番で並ぶことによって遺伝子として情報化されています。これが大切な遺伝情報です。さらに、このDNAが並んでできる長い紐は複雑に折り畳まれて、顕微鏡で見ることができる染色体となっています。この染色体は体を作っている細胞の一つ一つの核の中に存在しています。つまり、それぞれの核の中には一人一人の体の設計図が入っているのです。
この遺伝子の配列は一定の確率で乱れが起こっています。この乱れの確率は誰もが同じです。ただ、こうした変化は身体に何ら支障をもらたらさないことがほとんどですし、場合によっては、生物に進化と呼ばれる現象を引き起こることもあります。しかし、その変化が身体の働きにとって大切な情報をつかさどる場所におこると、体の機能がうまく発揮できず、病気を引き起こすことがあります。こうした病気は生まれたときから分かることもありますが、40歳代以降に明らかになってくることもあります。
私たちの病院ではこういった遺伝の関係した病気について、詳しい説明やそのことで悩んでいらっしゃる方を対象として、遺伝相談を始めることにしました。通常の診察とは違い、ゆっくりとお話を伺いながら、一緒に考えていこうと思っています。もし、こうした問題でお悩みの方は担当の医師や医事課にご連絡ください。 (診療部長 溝口
功一) |
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●放射線科のおしごと |
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当院で行っている画像診断には、骨や肺などの写真を撮る一般撮影、体の断層写真を撮るCTやMRI、脳の血流を見るSPECT、血管の走行を見る血管撮影などがあります。今回はその中でMRI検査について、お話します。
・MRI検査とは‥‥磁力と電波を利用して、体の断層写真を撮像します。X線による被曝はありません。
・検査を受ける前に‥‥MRI検査は磁石を使って行うため、心臓ペースメーカを使用している方は、検査できません。また、脳動脈クリップなど体内に金属が入っている場合は、検査が出来ないことがあります。必ず検査の前に医師または放射線技師まで申し出てください。また次のものは、故障したり検査に支障をきたすことがありますので、必ず取り外しておいてください。
・ キャッシュカードやテレフォンカード、定期券などの磁気カード。
・ 携帯電話や時計、アクセサリーなどの金属類。また、金属のついている入れ歯や下着など。
・検査中は‥‥検査は約30分〜1時間程かかります。検査中は大きな音がしますが、体を動かさないでじっとしていてください。体が動いてしまうと写真がきれいに撮れませんので、じっとしていることがむずかしい小児の患者様などでは、睡眠剤を使って眠っていただくことがあります。また、目的によっては造影剤を使う場合があります。これは、検査する部位をより詳しく見るための薬で、静脈より注射します。
・検査が終わったら‥‥普段どおりの生活を送っていただくことが出来ます。検査の結果は、主治医から説明されます。 (診療放射線技師 志村
雅美) |
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●リハビリテーション科 |
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【作業療法】 |
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作業療法とは、様々な作業活動や訓練を通じて、患者様の日常生活能力の向上や身体機能の維持・改善、また就労の準備性を高め社会参加を促すことを目的として行っています。
活動としては手芸、木工、工作といった作業活動の他に、料理実習や社会見学などの日常生活活動、身体機能訓練等を行っています。これらの作業を通じて、てんかんの患者様に対しては、作業中のてんかん発作のおき方や作業への影響・回復の状態の確認、そして就労に向けての適性や準備性の向上、生活技能の獲得を目標としています。神経・筋疾患の患者様には、日常生活能力の評価や援助、身体機能の維持や改善を通じて生活の質の向上を目指していきます。
患者様とコミュニケーションをはかり、目標を共に持って、生活を少しでも良い方向に向上できたらと常々考えています。今後もスタッフ一同が努力をし、患者様が作業療法を受けて本当に良かったと思われるような、サービスを提供できるように心がけていきたいと思います。 (作業療法主任 原田
信生) |
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【理学療法】 |
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てんかんや神経・筋疾患、重症心身障害児(者)の方々が当センターに入院や通院をされており、その中には身体機能に障害を持った方もいます。そういった方に対して、私たち理学療法士が一人一人の身体機能(主に運動機能)を評価し、その方や家族の要望を交えながらそれぞれにあったプログラムをたて、“リハビリ”を行っています。具体的には、歩くことや起き上がることが困難になった・発達に遅れが見られる・最近変形が目立つようになったなど生活していく上での問題に対して、運動や物理的な手段を通して、時には装具や杖などを利用しながら、問題の解決を図ります。病気が同じでも障害は様々です。また年齢や性別、生活様式など一人ずつ異なり、患者様の要望も千差万別です。
最後に忘れてならないのが、介助する人の健康です。障害が重度になれば介助量が増加します。介助をして腰や膝が痛くなったという話も時に聞きます。介助する人がまず健康でなければ。私たち理学療法士は介助方法なども提案しています。 (運動療法主任 鈴木
一弘) |
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●第43回
合同難病医療生活相談会 |
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◎日時 平成14年10月20日(日)
☆受 付 12:00〜13:30
☆相談会 13:00〜15:30
◎会場 静岡県東部合同庁舎 沼津市高島町1-3
◎参加費 無料
◎てんかんについての講演と相談
国立療養所静岡神経医療センター 小児科医長 福島 克之
◎主催及び問い合わせ先
東部保健所(健康増進課) TEL:055-920-2112
静岡県難病団体連絡協議会 TEL:054-254-5246 |
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●第2回
MSセミナー静岡 多発性硬化症勉強会 |
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◎日時 平成14年10月23日(水)14:00〜16:00
◎会場 国立療養所静岡神経医療センター
〒420-8688静岡市漆山886
JR静岡駅北口よりバス(67番こども病院線)で35分
◎参加費 無料
◎講師 国立療養所静岡神経医療センター 診療部長 溝口 功一
◎主催及び問い合わせ先 MSキャビン TEL03-3801-3552
◎共催 国立療養所静岡神経医療センター |
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●編集後記 |
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気象庁が発表した今夏(6〜8月)の気象統計値によると、今年は北日本が低温傾向、西日本が雨の少ない猛暑になるなど地域差が大きく、典型的な「北冷西暑型」の夏だったそうです。ここ静岡では、7月14日から36日間、30度を超える真夏日が続きました。皆さんは、夏バテしませんでしたか?
私達は納涼会を開いて、さらなる結束を深め、このセンターニュース第3号を発行するに至りました。また、今回からは新メンバーが加わり、皆様により役立つ情報を提供できるよう、励んでいきたいと考えております。 (編集委員 秦
とし枝) |
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