各部門紹介
心理発達支援室
心理発達支援室では、心理療法士(公認心理師・臨床心理士)が、神経心理学的評価、心理発達面に関する評価や支援を担当しています。
また、てんかんを持つ人やその家族のための心理教育プログラムであるMOSESやfamosesでは、それぞれトレーナーとして参加しています。
神経心理、発達支援をご希望の方は、主治医にご相談ください。
日程やご相談内容によっては、全てのご希望に沿えない場合があります。
ご理解いただきますよう、よろしくお願いします。
1.神経心理
神経心理では、学齢期以上の患者さんを対象として、知的機能についての全般的な評価、さらに記憶、言語、思考、注意、行為、判断、計算、学習などに関する詳細な神経心理学的評価を行い、疾患が行動面に問題を起こしていないかを調べます。
さらに社会リハビリテーションを必要とする患者さんには、人格検査などの臨床心理学的なアプローチを通じて、リハビリテーションの方向づけを考えてゆきます。
1-1.知能検査
知的機能の評価を行い、治療経過に沿った経過追跡も行っていきます。また、学習のつまづきに関する検討にも使用します。
1-2.高次脳機能(認知機能)検査
記憶、言語、思考、注意、行為、判断、計算、学習などに関する神経心理学的評価を行い、高次脳機能や認知機能の障害の程度を数値化し、客観的に評価します。
1-3.人格検査
治療や社会リハビリテーションに必要な心理的傾向を知るために行います。
どうして神経心理が必要なの?
- てんかんを持つ患者さんでは、てんかんの発作があることによる高次脳機能への影響、薬剤による高次脳機能への影響、脳に病変がある場合は病変が及ぼす高次脳機能への影響について知ることで、てんかんの発作型と脳画像検査や生理検査などの結果と総合的に照らし合わせて、より適切な治療を行うことができます。
- 認知症関連疾患や神経変性疾患の患者さんでは、身体症状に加え、認知機能の低下や、心理・行動面の変化が起きることがあります。そのため診断の際には,脳画像検査や生理検査などに加えて認知機能の評価が実施されます。
2.発達支援
発達支援では、てんかんを持つ原則15歳までのおこさんで、以下のような困り感をお持ちの入院中の方に、心理発達面の評価や支援を行っています。
困り感の一例
- 周りの指示を聞いているのに、言われた通りに行動することができない
- 園や学校で、じっと座ったままの学習や活動が上手くいかない
- 友人関係が上手くいかなかったり、周りとのトラブルが多い
- 言葉は話せるが会話が上手くできない、相手の言葉の裏にある意味を上手く読み取れない
- 好きなことや気になることをその場でやらずにはいられない
- 学校に入っても、読み書きが上手くできない/特定の教科のみ覚えられない
2-1.発達評価
入院中のお子さんに対して、複数の心理検査や面談を行います。
次に、ご家族への聴き取りを行い、おこさんの知的面や行動面をはじめとする心理発達面に関する評価を行います。
2-2.相談、心理教育(家族)
評価結果に基づいて、家庭での養育、園や学校での支援について、ご家族と一緒に検討します。
医学的診断が行われた後は、おこさんやご家族がお住まいの地域で適切な支援を受けられるよう、必要に応じて地元の園や学校、支援機関に評価結果を報告します。
2-3.入院中の支援(本人)
手術の前後や長期の入院などで介入の必要があると判断された際に、遊びや会話を取り入れた自由な場面での観察や面談から、心理発達面のアセスメントを行います。
観察結果を医師、看護師、リハビリのスタッフやソーシャルワーカーなどと共有し、連携しながら支援を行っています。