各部門紹介
検査科
検査科には採取された検体(血液・尿・便・髄液など)の成分を分析する検体検査と、検査を受けられる方と対面する生理検査(心電図・呼吸機能・脳波・超音波(エコー)・筋電図など)があり、てんかんや神経内科疾患の検査を専門的に検査しています。
検体検査では抗てんかん薬による肝機能障害や血球減少など副作用のモニタリング、抗てんかん薬の血液中濃度を多種類にわたり結果を迅速に提供し、診療における薬物調節を支えています。
生理検査では脳波や筋電図検査に力を入れており、外来脳波室は7部屋、筋電図検査室は2部屋、入院長時間脳波検査室は14部屋、一般病室で使用する脳波計は5台あります。
当院では他院、遠方から紹介された難治性てんかん、外科的手術、自閉スペクトラムや発達障害について検査される方も多く、正確な診断に繋がるよう努めています。
また各部署とも連携し、初めて来院される方にも安心して検査を受けていただけるようにしています。
以下、主に検査している生理検査項目をご紹介いたします。
※以下の検査項目名をクリックすると詳細が表示されます。
外来 脳波(入院 長時間脳波)検査
脳波検査について
脳波検査ってどんな検査ですか?
- 人間の脳には微弱な電気が流れています。
- 頭や肩に電極やセンサを装着するため、整髪料や化粧はお控えください。
- 頭皮をアルコール綿(または別の消毒綿)で拭き、クリームをつけた電極を装着して脳細胞の電気的変化を記録する検査です(通常外来では頭全体に24個、首か肩などに2個)。
検査室ってどんなところですか?
- シールドルームと呼ばれる、電波の影響を受けにくい部屋の中で検査します。
- 扉を閉めると携帯電話の電波も入り難くなります。
- また防音室ではないので室外音も聞こえますが、比較的静かです。
- 照明の調節可能な部屋で、暗くてもカメラで録画ができます。
電気って危険じゃないんですか?
- 脳の電気活動を電極から受けるので、電気刺激を与える検査ではありません。
- ビリビリと痛みやしびれを感じることはなく、赤ちゃんでも繰り返し検査でき、危険ではありません。
- 脳波検査はMRI検査と並んで、てんかん診断には重要な検査であり、原因によっては脳波検査でのみ診断可能な場合もあります。
眠ってからの検査ではダメですか?
- 当院では乳幼児や小児、自閉症等の患者様も眠ってから電極を装着することを、できるだけ避けております。
- 脳波の異常が出現しやすい時期は個々で異なり、起きている時、うとうとし始めの時、眠った時、眠りから覚めた時と、すべての経過が記録できることが望ましいためです。
- 電極が外れないように頭に包帯を巻き、検査をする場合もあります。
睡眠導入剤は飲んだ方が良いですか?
- 脳波の異常は、うとうとし始めの時に出現しやすいことが多く、検査ではこれを重要視しています。
例)ペントバルビタール(ラボナ錠剤)
例)トリクロリールシロップ
例)エスクレ坐剤(坐薬)
当院で検査を受けられる方には付添い同伴で来院していただいた方に、睡眠導入剤の服薬をお願いする場合があります。
薬の使用を希望されない、車を運転して帰る、妊娠が疑われる場合にはお申し出いただければ薬は使用しません。
脳波検査の流れ
初めて脳波検査を受ける場合のお願い
- 初めての病院で検査となると、誰でも緊張します。眠るために、お気に入りの玩具や持ち物、動画、音楽(オフラインでも可能なもの)をご持参いただいても構いません。
- また検査前に技師が気になっている症状や言動、意識がなくなったり、倒れた時の状況を伺う場合もあります。それは症状により、検査内容を一部変更する場合があるからです。例えば、椅子に座ったまま検査を開始する等、症状をできるだけ判りやすく記録し、より良い診断に結びつけたいと考えているためです。ご協力ください。
- 他者から分かり難い症状にはボタンを押してもらい、確認することもあります。
検査終了後には
- 放射線科や外来看護師と連携し、起こさず検査を終了しMRIへ移送する場合もあります。できるだけ金具がついていない服装でお越しください。
- 頭皮のクリームは温かいおしぼりで拭き取りますが、男女別トイレの洗面台でも洗髪は可能です。
- リンスインシャンプー、ブラシ、タオル、ドライヤーをご用意しています。お申し出ください。
いつもはどんな症状がありますか?
- けいれんの場合、口元のひきつりはありますか?黒目は上下左右のどちら側にありますか?左右の手足は曲がっていますか?伸びていますか?
- 意識がなくなる場合、表情や言動は変化しますか?
- 視線が合わない時は「はい」、「いいえ」だけでは答えられない質問をして意識の有無を確認してみましょう。
- 症状が出た場合、お手持ちの携帯電話で動画撮影し、診察時に相談することも有益な情報になります。
入院して長時間脳波検査を行う場合
- 外来で症状が確認できない場合や服薬の調整、手術の前後、治療経過の確認等で必要であれば、医師より入院して検査を行うことを提案される場合もあります。
- 長時間脳波検査(長時間ビデオ脳波モニタリング)と呼ばれ、数時間から数日間、検査室にあるカメラの撮影可能な範囲で、脳波電極を装着しながら生活します。
- 皮膚トラブルも起こりやすくなりますが、入浴日には検査を中断し洗髪可能です。普段の生活に近く(トイレや洗面も可能)、いつもの症状が起こりやすい環境になります。
- 病棟の脳波室も外来同様に電波の影響を受けにくい部屋です。DVDの使用可能ですが、本やおもちゃ、ゲームなど時間をつぶせるような準備をお願いします。また夜間は撮影可能な明るさで就寝していただきますのでご了承ください。
脳波検査の継続時間が長いため発作時の様子や脳波を記録しやすくなり、その後の診断や治療に役立ちます。
またベッドも高い柵のあるもの、床にマットレスを引き転落防止に配慮する等の変更は可能ですので、ご相談ください。
追尾ビデオカメラシステムの動画例(職員の児)です。
病棟脳波室例
病棟脳波室例
病棟脳波室例
病棟脳波室例
専門施設で検査をして、地元で経過観察としての治療はいかがしょうか
治療のためにお越しになるのは大変なことです。
専門施設で診断し、治療の方針を決定して、お近くの病院で治療も可能です。
ぜひ当センターで検査をしてはいかがでしょうか。
筋電図・誘発電位検査
筋電図・誘発電位検査とは?
手や足の筋力低下、しびれを感じる際に主に行う検査です。
腕や足に電気の刺激を与えたり、頭部に電極を装着して神経の信号の伝わり方を記録します。
この記録から、神経や筋肉に異常があるかないか、どの部位に異常があるか、などを評価します。
大人だけではなく、小児でも行うことができます。
各検査の所要時間・説明
検査名 | 所要時間 | 検査説明 |
---|---|---|
神経伝導速度 | 1時間程度 | 腕や足に電気刺激を与え、刺激が神経を伝わる速さを検査します。 ある程度、痛みを伴う検査です。 |
短潜時感覚誘発電位 | 1時間程度 | 頭部や首に電極を装着して、腕や足に電気刺激を与えます。 ある程度、痛みを伴う検査です。 |
聴性脳幹反応 | 30分~1時間 | 頭部に電極を装着し、ヘッドフォンで音を聞きます。 |
視覚誘発電位 | 1時間程度 | 頭部に電極を装着し、格子模様が映るモニタを、一定時間見続ける検査です。 |
中枢磁気刺激による 誘発筋電図 |
30分~1時間 | 手や足に電極を装着し、頭部や首、腰を磁気で刺激します。 医師が施行します。 |
針筋電図 | 1時間程度 | 筋肉に直接針を刺し、筋肉の活動を検査します。 医師が施行します。 ある程度、痛みを伴う検査です。 |
反復刺激 | 30分~1時間 | 腕や首、顔面に連続した電気刺激を与えます。 ある程度、痛みを伴う検査です。 |
検査を受けられる方へ
手首や足首を出すことのできる、ゆとりをもった服装でお越しください。
タイツやスパッツ、ジーンズなど、締めつけのある服は避けるようお願いいたします。
※ 検査当日は、整髪料の使用はお控えください。
その他の検査
長時間血圧測定
検査の方法
携帯型の血圧計を装着し、24時間(48時間)血圧を測定します。
何がわかるのか?
血圧を24時間(48時間)測定することによって、1日の血圧の変動がわかります。
検査の所要時間とお願い
この検査は約24時間(48時間)測定します。
日常の血圧の変動を測定するので普段通りの生活を送ってください。
機械を装着中は入浴ができませんのでご了承ください。
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)
ポリソムノグラフィ(PSG)検査は睡眠や睡眠障害の評価する検査で、頭、体、手足に電極やセンサを装着し、一晩の睡眠を記録するため入院する必要があります。
睡眠段階や呼吸、酸素飽和度、目、胸腹部、足の動き等を解析するため、結果には時間を要します。
検査を受けられる方へ
検査は夕方から翌朝7時30分ごろまで行います。
検査当日は昼寝をせず、上下分かれたゆとりのある寝間着をご用意ください。
顔や頭に電極やセンサを装着するため、整髪料や化粧はご遠慮いただき、男性は髭を予めお剃りください。