脳波検査
脳波検査はてんかんの診断と治療経過の判断に不可欠な検査です。 てんかん発作の症状の変化や抗てんかん薬の効果は脳波で経時的にみていく必要があります。
脳波検査とは
脳の中には微弱な電気が流れています。頭皮上に電極をとり付け、脳神経細胞の電気的な活動を記録する検査です。
検査をすると、何がわかるの?
脳の活動の状態がわかります。てんかん特有の異常波は、発作が起きていない状態でも、出現することが多いです。その為、脳波検査の結果、てんかんの症状、更にCT,MRI検査などの結果をもとに、てんかんの発作型の診断や適切な治療を行うことができます。
外来脳波検査
検査では、何をするの?
(安静)覚醒状態で記録を開始します。 開閉眼→光刺激(光がピカピカします)→深呼吸 眠っているところも記録していきます。 睡眠が難しい方は、医師の指示により検査前に睡眠導入剤を服用します。 脳の電気活動を電極からキャッチしているのであって、こちらから電気刺激を与える検査ではないので、ビリビリと電流を感じることはありません。
検査は、どの位の時間がかかるの?
通常は、覚醒・睡眠時の記録をそれぞれ20分程度行い、1時間前後で終わります。 睡眠導入剤を使用する場合、睡眠までの時間がかかる場合もあります。
なぜ眠らせてから電極を付けないの?
当脳波室では乳幼児や小児、精神遅滞があって協力が得られなく脳波検査が難しい患者さんも、 眠ってから電極を装着することを避けています。言い換えれば起きている状態で電極を装着して検査を開始し、 途中から眠っていただく検査が中心です。 なぜなら異常波が出現しやすい時期は個々に異なるため、 起きている時・うとうと・眠りに入った時・眠りから覚めるまで全ての経過の脳波が記録されるのが望ましいためです。 (そのため頭に包帯を巻き、電極が外れないようにして検査を行います。)
睡眠導入剤を飲んだ方がよいの?
当院では通常はペントバルビタール(ラボナ)、またはトリクロリールシロップ、 座薬(エスクレ)を服用します。異常波が出現しやすいのは、うとうとするところから浅い睡眠までとされています。 睡眠導入剤を服用し、毎回同じ位の深さの睡眠で検査ができると、同じ条件で検査が行えるため、 前回の検査結果と比較するのに役立ちます。
脳波検査をする時の注意点は?
なるべく付き添いの方と一緒に来院してください。
(睡眠導入剤を服用した場合、副作用でふらつきが残ることがあるため)
患者さん本人が車を運転して来院しないようにして下さい。
検査前日はできるだけ洗髪をして、整髪料はつけないで来院して下さい。
(脂や垢があると、脳波を捉えにくくなります)。
睡眠時の検査はとても大切です。前夜は過眠にならないよう、少々寝不足気味でお越しください。
午後の検査の場合は、昼寝は控えてください。
入院脳波検査(長時間脳波検査)
てんかん発作を捉える事は、てんかんを診断する上で非常に重要です。 発作の観察について、生活の中では発作の始まりを見落としてしまうことが良くあります。 実はどこから始まりどこの部分へ拡がりどんな動きがどのくらい続いたか、 という発作の始まりから終わりまでを観察することが望ましいのです。 (しかしながらてんかん発作は突然起こるものであり、 また夜間にのみ発作が出現するなど実際のところ観察はなかなか難しいのが実情です) 通常の外来脳波検査では検査時間が短く、また検査ができる時間帯も限られています。 そのため、患者さんによっては外来脳波検査中に発作を記録する可能性が低くなります。 より発作を捕捉する可能性を高めるために、入院脳波検査(長時間脳波)を行います。
トイレと洗面以外は脳波検査室内で過ごしますが、部屋の中ではTVを見る・ゲームをする・本を読む、などができます。
日常生活での体の動きにより脳波電極が外れないよう頭には包帯を巻きます。 検査中は発作時の映像と脳波が記録できるように必ずビデオカメラで撮影しながら行います。